ここ数年、漢字の画数が多すぎてインパクトのすごさで話題になっているビャンビャン麵。
中国の麺料理なんだろうな・・・とは思っていたものの、一体中国のどの地方の料理でどんなものなのか詳細は分からず、気になっていた麺料理でした。
中国で変わった麺といえば、以前は麺の生地を、前方の熱湯が入った鍋に向かってそぎ飛ばす「刀削麺」が話題となり、東京にも店舗が増えてどんな料理か知名度がでてきたなと思っていたら、今度は「ビャンビャン麺」。
こんなに中華料理が日本に浸透しているのに、まだまだ知らない中国の郷土料理があることに、中華料理の奥深さを実感しました。
さて、ビャンビャン麺ですが、意外にも門前仲町駅から徒歩10分ほど、隅田川沿いの永代橋付近の「泰唐記」で食べることができます。
横浜中華街など、中華レストランが密集している場所ではないのに、ビャンビャン麺専門店が営業しているということも気になるところ。
これは実食してみるしかありません。
一体どんな料理でしょうか。
店名よりビャンビャン麵の方がインパクトあり
永代橋の橋のたもとに佇む中国料理の店「泰唐記」。
隅田川テラス沿いにはお店の名前よりも大きく、漢字で表記されたビャンビャン麺の文字が掲げられ、かなりのインパクト。
周囲には居心地のよさそうなカフェのほかに、緑の木々に囲まれた個性豊かなおしゃれカフェが並び、歩いて回ると、小さなエリアに気になるお店が点在する場所。
気にあるカフェは残念ながら、通りかかった時間はクローズしていたので、今回は断念。
ビャンビャン麵に集中します。
お店の正面には芸術的な漢字表記「ビャンビャン麺」の文字と共に、麺を作成中のイラストが出迎えており、気になるところ満載。
アルコール消毒をして店内に入ると、清潔で明るく女性の一人利用のかたもちらほら。
女性一人でも、気にすることなく利用できそうな雰囲気です。
確保した座席の前には、レトロポップなイラストとともに、「陝西(関中)八大怪」というタイトルでなにやら図解説明が書いてあります。
陝西(せんせい)とは西安がある中国陝西省のことで、どうやら陝西省の関中地方にある8種類の独特な風習のことを表しているようです。
このビャンビャン麺を食すことも関中地方の八大怪の1つのようで、店内のメニューや壁に独特なタッチのイラストで案内されていたのですね。
ビャンビャン麺はどんな料理?
店内のメニューを開くと様々な麺料理と共に麺について説明があります。
なんと、ビャンビャン麺とは麺料理の名称ではなくて、麺の種類のことでした!
幅が広くきしめんのような幅広麺で、生地をビャンビャンと台に打ち付けながら作成する工程からこの名前が付いたとか。
つまり、この幅広の麺に合わせるソースもしくはスープによって、バラエティ豊かな麺料理となるので、ビャンビャン麺の用途はまさに幅広くあります。
メニュー表にはジャージャー麺のようなソースを乗せたり、いろんなソースを全部乗せた全盛麺のほか、ラーメンのようにスープに入った料理もありました。
今回訪れた時の週替わりメニューは和風魚介面でした。日本のラーメンに近いのでしょうか?
このメニューもかなり気になりました。
料理のオーダーするときの方法は?
ビャンビャン麺は麺の種類ですので、料理を注文するときも独特の注文方法となります。
・まず、メニューをみて何の麺料理にするか決めます。
・次に麺の太さを決めます。
こちらのお店ではビャンビャン麺(幅広麺)のほかにベルトのように太い麺、にらのような太さの麺、細麺など4種類あり、好みの太さを選択します。
※ちなみにランチタイムはビャンビャン麺ともう1種類の2種類からの選択でした。
(4種類の中から選べるのは夜のみ)
・麺は熱盛りか冷や盛りにするか選びます。
また、ソースが辛い麺の場合は辛さの調節も合わせて注文していきます。
今回私たちは、ジャージャー麺(冷や盛り)と全盛麺(熱盛り)をオーダー。
もちろん麺の太さはビャンビャン麺。
幅の広い麺ならばとろりとソースが絡みつく、汁なし麺がよくあいそうです。
麺のゆで汁が提供される陝西スタイル
料理が来る間にメニューを眺めていると、陝西省では食事のお供に麺のゆで汁をいただくことが案内されていました。
麺のゆで汁には消化を助ける作用があるとか。
どうやら日本のそばを食べるときの蕎麦湯みたいな存在です。
しばらくすると、麺のゆで汁が添えられたジャージャー麺が、「陝西(関中)八大怪」のイラスト入りの器で出てきました。
麺はしっかり幅広でジャージャー麺のみそだれがしっかり絡みつきます。
たれと麺をよーく混ぜ合わせてから、麺を噛みしめると、もっちりつるつる。
ラーメンというよりは、きしめんやうどん系の方が味が近いですが、もちもちしているので食べ応えがあります。
一緒に提供された麺のゆで汁は、なんとなく麺の風味を感じますが、とくに味はついていないので、やはりそば湯みたいでした。
ちなみにソース全部乗せの全盛麺は夫が注文していました。
感想を聞いてみると、全部のソースを混ぜ合わせて麺と食べると、スパイスやいろんな風味が混じって、深くてうまいソースが幅広麺のモチモチ感にぴったりだったそうです。
きっと次はスープに浸かったビャンビャン麺を試してみたら、また新たなおいしさに出会えそう。次回、散歩を兼ねてビャンビャン麺を求めて、元気に永代橋を渡っている姿が容易に想像できました。
紹介した場所
◆西安麺荘 泰唐記 永代総本店
住所:〒135-0031 東京都江東区佐賀1丁目1−16 1F
交通:東京メトロ東西線 門前仲町駅 徒歩約9分