数年前に旧前田家本邸が改修工事が完了した情報と、森のなかのお屋敷の画像を見て、「東京にもこんな場所があったのか」と興味を持ち、いつか見学したいと思っていた場所。
今回そのことを思い出し、旧前田家本邸の見学にあたって、窓口に問い合わせをしたところ、館内の写真撮影は他の人に迷惑をかけなければOK、入場料は無料と確認がとれたので、さっそく見学に行ってみました。
旧前田家本邸とはどんなところ?
井の頭線の駒場東大前駅、西口から徒歩で10分くらいで駒場公園の敷地内に旧前田家本邸はあります。
通常は、迷わず行けば、駅からサクッと分くらいで到着できるのですが、方向オンチの私は、駒場東大前駅の西口を出てからすぐに逆方向に進んでしまい、行ったり来たりで倍の時間をかけてしまいました!
慣れない場所は、しっかりと場所を確認してから進まないとだめですね。
さて、旧前田家本邸は、加賀百万石大名の前田家の16代目当主、前田利為(としなり)侯爵が自邸として建てました。
本郷の本邸を関東大震災後に東京帝国大学と土地を交換することになり、現在の駒場に新居を建てることになったそうです。
昭和4年~5年にかけて、地上3階~地下1階の洋館と2階建ての和館を建て、周囲の武蔵野の自然を活かした広場や前庭のある豪華なお屋敷は、当時「東洋一の大邸宅」と謳われるようになったとか。
その後、第二次世界大戦により利為侯が亡きあと、一家は他の土地へ移り、屋敷は中島飛行機が買収。
戦後は連合軍に接収されますが、昭和31年に国の所有となり、翌年にようやく接収解除となる、激動の歴史がある建物です。
駒場東大前駅から出発!まずは和館を見学
駒田東大前駅から前田邸までは、出だしから迷ってしまったので、「目的地が見えるまでは集中!」という気持ちで進んでいたので、炎天下の中、日傘もささずに歩いていき、全身汗でびっしょりになっていました。
駒場公園の林が見えてくる道は静かでおちついた高級住宅街を進みます。
この住宅街は何かあるわけでもないですが、雰囲気が素敵で「このあたりに住んでるひとたちは、どんなかたなんだろうか」などと思いながら前田邸を目指しました。
住宅街の先に林がでてくるあたりも、期待が高まります。
入り口に「駒場公園東門」と「重要文化財、旧前田家本邸の案内図」が見えてきたので、木々の木陰の中、まずは和館から見学していきました。
玄関で靴を脱いで、アルコール消毒を済ませると、あとは自由に見学です。
見学客は数名見かけますが、団体客で混みあうことはなく、気軽な気持ちで館内を見ることができ、写真もストレスなく撮影ができました。
初めて訪れた和館はどこか懐かしい心和む空間
旧前田家本邸の和館は、主に外国からの賓客のおもてなしに利用していた純和風建築です。
大広間は畳の和室ですが、照明はシャンデリア。レトロモダンで、かわいらしい!
正面の大広間から庭が鮮やかに見えて、すーっと心が落ち着きます。
庭の池には、あえて滝を端に設置して、水の流れを演出する工夫をがされているそうです。
明かり障子にうつる庭も雰囲気があり、縁側の小さな空間も絵になります。
初めて訪れた場所なのに、なぜか懐かしい感覚があり、こんなに豪華ではないですが、おばあちゃんの家にきたときのような落ち着いた気持ちになりました。
広間は「御客間」と「御次の間」が2部屋続いた形になっていて、40畳ほどのなりの広さ。
また、ちょっとした空間や縁側の風景が絵になるので、しばらく気になるところを静かに写真を撮ったり、ぼんやりと眺めてすごします。
外のさざめくような会話がかすかに聞こえてくるので、それが逆に今いるお部屋の静かさが際立ち、気持ちもおちつきます。
気がつくと、見学客は私以外誰もいない空間でした。
玄関から庭まで障害物がなく戸を開け放してあるので、自然の風が通っていき、エアコンがなくても暑さがを感じなくなっていました。
洋館・和館ともに、いままで多少手は加えてあるものの、各居室のシャンデリアや暖炉など建設当時のままだそうで、和館の趣も当時の様子をうまく再現されています。
装飾品も丁寧で凝ったつくりになっていて、透かし模様の欄間は木材なのにレースのようで思わず撮影してしまいました。
一つ一つきれいで、広々とした居室なのに、普段使いはせずに、客人がきたときだけ利用していたとは、なんだかもったいない気がします。
気持ちの良い風と、おちついた雰囲気にすっかり和み、いよいよ洋館の方へ移動します。
洋館は和館よりも居室が多く、見所満載。見学状況は一体どんなでしょうか。
和館を出て左に進むと芝生の庭がでてきて、洋館がみえてきました。
その佇まいは、ドラマや映画の中ででてくるお屋敷みたいです。
旧前田家本邸・洋館の館内の様子は次のブログの中で紹介していきたいとおもいます。
次へ続く・・・
◆旧前田家本邸・和館
住所:〒153-0041 東京都目黒区駒場4丁目3−55
交通:井の頭線 駒場東大前駅 西口より徒歩約10分
駒場公園内、駒場公園東門からすぐ。
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