山谷堀公園にはちょっと変わった置物がある・・・・。
そんな情報を聞いて気になっていた公園。

場所は待乳山聖天の近くらしい。
待乳山聖天といえば、裏浅草エリアで最近は老舗レストランや隠れた名店があり、グルメ散歩や観光が楽しいエリア。

ただ、山谷堀公園はそんなグルメスポットから少しはずれた場所だったため、行ったことが無かった公園。なにしろ浅草駅近くには隅田川沿いに隅田公園があるし。

今までノーマークだった山谷堀公園。

最近梅雨入りして天気が不安定でしたが、気になるので行ってきました。

山谷堀公園

元は水路だった山谷堀公園

東武線浅草駅から待乳山聖天の方に歩いて行くと、ミント色の門の入口の山谷堀公園がでてきました。

ここはかつて約700メートルほどの水路だったところを埋め立てた公園で、春には桜の名所でお花見スポットとして賑わうようです。

なお、山谷堀公園内に設置してある案内板を参考にすると、江戸時代にはすでにお堀があり、吉原に行くルートの1つとされていたとのこと。
猪牙舟(ちょき)船を使って吉原に通うことを「山谷通い」と言われ、贅沢な遊びとされていたとのこと。

また、水路があった時期は9つの橋が架けられていたのですが、今は埋め立ての際に取り壊され、公園には橋の名残の護岸や親柱だけが残っているそうです。

山谷堀公園

その後山谷堀公園は改造工事があり、2020年に竣工されたので公園内は新しい雰囲気で地面も園内に設置してある物もきれい。

犬の散歩やジョギングのかた、高齢のご夫婦がベンチで休憩している姿などが確認でき、地元の方たちの安らぎスポットになっていました。

繁華街から少し外れた場所ということで勝手に薄暗いイメージを思い浮かべていたので、このクリーンな公園を見てホッと一安心。

早速、公園内へ進んでいきました。

山谷堀公園の入口付近

園内は気になるスポットがいっぱい

公園内を進んでいくと、すぐに不思議な置物を発見。
ところどころに、様々な動物のような置物が並んでいます。
ん?これは何?

山谷堀公園入口からすぐの景色

どうやら、この置物たちはかつてこの地域で製造されていた今戸焼のようです。
今戸焼の説明も公園内にあります。

今戸焼の説明の標識

今戸焼の土人形は縁起物をかたどった焼き物が多いようです。
公園内の置物を1つづつ見ていきしょう。

園内に縁起物たち勢ぞろい

まずはこちら。
標識をみるとこの置物は河童。
立膝スタイルでどんと構えた姿。
「いいよ。なんでも聞きな。」と言っているように見えます。
とりあえず悩みごとや困ったときには話をきいてくれそう。
会社にいるとしたら部長クラスでしょうか。

河童

この河童部長、立膝スタイルでちょっとずつ角度が変わって並んでいました。

河童の置物

次はこちら。招き猫。
諸説ありますが一説ではこの辺りが招き猫発祥の地と言われているそうです。

商売繁盛の縁起物、招き猫さんはいつもの決めポーズで道行く人をお出迎え。
こちらは会社員で例えると営業担当ですね。いつも売り上げトップクラスのエース。

招き猫

続いてはこちら。
福助・お福と、鉄砲狐。
表示された案内によると、これらも縁起物で鉄砲狐は現在でも稲荷神社の授与品として作られているそうです。

センターが鉄砲狐で両脇を福助・お福で固めた状態で展示されています。

福助・お福と鉄砲狐

福助・お福も悩み相談を受けてくれそう。
ゆとりあるほほ笑みから「まあ、なんとかなるわよ」と背中を押してくれそうな雰囲気です。

そして鉄砲狐はフットワークが軽そう。スマートだし。

その次はこちら。

座猫。
招き猫に似ていますが、招き猫さんの決めポーズをしていないのでネコらしい自然な佇まい。
こちらはマイペースでおっとり癒し系ですね。

座猫の置物

そして一番気になったのはこちら。
踊り雀。

踊り雀


着物を着たスズメが舞を踊っているのでどことなく人間味があるスズメたち。
こちらは悩み相談はムリそうですが、カラオケに連れて行ってくれて歌や踊りで、日ごろの鬱憤を晴らしてくれそう。

踊り雀②

そして最後の一列は今まで展示されていた置物たちがズラッと並びます。
ラストに役者が全員登場したような感じ。
今戸焼キャラクターズ。

今戸焼キャラクターズ全員から見送りをされている気分で、今戸焼ゾーンから次のゾーンへと移動していきました。

・・・・あれ?最後の一列、今戸焼キャラクターズなのに


福助・お福がいない!

猪牙船だってあるんです

今戸焼ゾーンを抜けた後は木造の舟が鎮座していました。
こちらは猪牙舟(ちょきふね)。
江戸時代には水路でよく利用されていた舟で、山谷堀から吉原へ行くときに利用していたという例の舟です。

猪牙舟

この小さな小舟で江戸市中の水路を行き来していたとは、なんだか風流でのどか。
また、ふと空を見上げるとスッと伸びたスカイツリー。
江戸情緒の面影が残る山谷堀公園と現在の東京観光スポットのスカイツリー。
昔と今の東京の文化が交差しているようです。

スカイツリーが見える景色


少し歩みを進めると吉野橋の名残の柱がありました。
かつて水路があった時代に架かっていた9つの橋の1つです。

吉野橋

また、このあたりから公園内はあじさいがたくさんあり、ちょっとしたあじさいの小径ができていました。

あじさい

「冷やかし」の語源になった場所

しばらく進むと紙洗橋(かみあらいばし)の橋の名残が出てきました。

ここにはなんと「冷やかし」の語源となった場所だそうです。
江戸時代には、紙漉き職人が暮らしていて、紙の材料を水で冷やしている工程があり、この作業中の空いた時間に吉原の遊女をただ見に行ったり、ちょっとからかったりしていたことを、いつしか「冷やかし」と言うようになったと言われています。

・・・・紙漉き職人、空いた時間は他にもっと有意義に使うことができただろう!とツッコミを入れたくなるような語源です。

今はもう紙漉き職人が暮らしていたという面影はなく、可憐なあじさいの道が続きます。

また、あじさいに交じってヒルガオも元気よく咲いていました。
公園とマンションの間のフェンスを上手に利用して、つるを伸ばしているところが生命力の強さを感じます。

あじさいとひるがお

大人の運動場もあるんです

公園内を進んでいくと地方橋(じかたばし)がでてきました。
このあたりには遊具が設置してあり、ジャングルジムやすべり台などがあります。

公園の遊具


このすべり台もどことなく模様が和風なデザイン。浅草らしさを表現しているのでしょうか。
小雨が降る中でもお子さんたちが元気に遊んでいました。

すべり台

その先に、ちょっと気になる場所が出てきました。

うんどう遊園。
体力づくりのため運動の器具を設置したして体力づくりを推奨しています。
公園でフィットネス。体を動かせる設備があるようです。

うんどう遊園


1つづつ見ていきましょう。
これはだいぶシンプル。
運動用の器具と言わなければ柱にしか見えません。
何の運動のための器具でしょうか。

運動場の器具

答えはつまずかない運動。
腕を柱に伸ばして膝を曲げたり伸ばしたりして体を動かします。

次はこちら。
先ほどの柱に少しアレンジが加わったタイプ。
こちらは何の運動でしょうか?

つまずかない運動の器具

答えはかいだんうんどう。
柱につかまって自分の高さに合う段を使った足の運動でした。

おや、今度は何でしょう。
似たような場面を遺跡発掘の現場としてテレビで見たことがあります。
でも遺跡発掘運動ではないと思う。

バランス運動

答えは、ふらつかないうんどうでした。
コの字型の台にのって、バランス感覚を高める運動です。

ふらつかない運動の案内板

あ、最後は今までと器具の様子が違います。
いろんなものが付いてて運動器具らしくなってきました。
これは何でしょう。空中ブランコ?

運動器具

おお、急に複雑になりました。
全身のびのびうんどう。
両足そろえて地面に足をつけながら、息を吐きながら腰を中心に回ります。
ああ、これは腰をやっちゃいますね。体が動けると過信していると危ないですね。

全身のびのびうんどうの案内板

この器具を使って運動する人は少ないのでは?と思っていたら、後ろからジョギングをしていた男性がいきなり全身のびのびうんどうの器具にパッと飛び移り、躍動感がある懸垂を始めました。

すごーい!!躍動感ある懸垂!!
「全身のびのびうんどう」では無い~!!

ジョギング男性は、予想以上に難しい技を披露したあと颯爽と走り去っていきました。

このあと雨足が徐々に強くなってきたので、そろそろ引き返すことにしました。
すべり台やジャングルジムがあった場所に戻ると、小雨の中でも元気に遊んでいた子供たちはすでに帰ったようです。

公園内に取り残された青いボール。
先ほどまで遊んでいた子供たちの忘れ物でしょうか。
祭りのあとのような情景を表現していました。

公園に忘れたボール

山谷堀公園を歩いてみたら

今回初めて歩いた公園。
何か特別凄い物があったり、大きな庭園があるわけでもないのですが、気ままにぶらぶら歩いてみると予想よりずっと面白かったです。

浅草観光が初めての人に「ここ!まず見て!」などど強くはおすすめしませんが、浅草に何度も訪れていて、近くを観光したついでに少しお散歩に立ち寄ると面白いかもしれません。

もっと駅から近くて隅田川も満喫できる公園なら、近くに隅田公園があります。
もっと本格的に運動がしたいなら近くに台東リバーサイドスポーツセンターがあります。

しかしツッコミどころ満載の山谷堀公園。個人的には応援したい。
このままでいいぞ!山谷堀公園。

隅田川の景色

紹介した場所

山谷堀公園
住所: 東京都台東区東浅草1丁目4−9
交通:東武線 浅草駅徒歩約14分

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浅草観音裏

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