外交官の家 大客間
外交官の家 大客間

横浜の歴史ある洋館については以前から観光してみたいスポットでした。

大正時代から昭和初期にかけて横浜が開港したときに外国人居留置として外国人の住居が多く造られた山手エリアは、異国情緒ある街並みが今なお当時の面影を残すスポット。

この歴史ある建造物は、横浜山手西洋館として、多くの観光客が訪れる場所になりました。
しかも12月は世界のクリスマスのイルミネーションでとても華やかな雰囲気に。

今回は石川町に近い山手イタリア山庭園の中にあるブラフ18番館と外交官の家を見学し、その先にある旧山手68番館も少し覗いてみました。

山手西洋館とは?

外交官の家
外交官の家

異国情緒あふれる西洋館は拠点となる駅が元町・中華街駅か、石川町駅。港の見える丘公園に2館、元町公園エリアに3館あります。

また、山手公園内には日本のテニス発祥の横山テニス発祥記念館と外国人向けの貸家だった旧山手68番館があるので、西洋館巡りで立ち寄るスポットとして有名です。

それぞれ、なんと入場料が無料
坂道の多い場所で、全部の西洋館を巡るとけっこうな距離を歩くので、履き慣れたスニーカーで散策することをおすすめします。

12月は山手西洋館・世界のクリスマス

今回は外交官の家とブラフ18番館の見学をするために横浜に向かったので、JR石川町駅の元町口で降りました。

駅を降りてすぐ、なかなかの急こう配の坂道を道なりに進んで約10分ほどで山手イタリア山庭園の入口に到着。

山手イタリア山庭園の入口
山手イタリア山庭園の入口

坂道はここで終わりではありません。
中に進むと階段があり、バラや庭の美しい木々のなか、坂道になっている階段を進んでいくとブラフ18番館の入口に到着しました。

坂道は急勾配ですが、西洋館の前の小高い丘の景色やお庭の風景が目の保養となり、疲れを忘れてしまいます。

ブラフ18番館はドイツのクリスマス


入口では検温と消毒のあと、靴からスリッパに履き替えていよいよ館内へ・・・。

ブラフ18番館は白地の壁にペパーミントグリーンの窓枠や扉がとてもかわいい。
パンフレットによると、関東大震災後に山手町45番地に建てられた外国人居住地だそうです。

部屋の中はドイツのクリスマスイルミネーションが施されて12月の楽しい雰囲気が伝わってきました。
ドイツのクリスマスの飾りはメルヘンで温かみがあり、可憐なデザインの建物にマッチしています。

暖炉やサンルーム、階段の踊り場など何気ない空間がとても雰囲気が良くて、当時の建築家のセンスの良さに本当に感心します。

暖炉とクリスマス飾り
暖炉とクリスマス飾り
何気ない階段がおしゃれ
何気ない階段がおしゃれ

寝室はペパーミントグリーンを活かした居室でさわやかでかわいい。


以前、岩崎邸庭園や旧前田家本邸洋館を見学した時も、ガーリーでかわいい居室にうっとりしたのですが、こちらのお部屋も負けてはいません。

かわいい寝室

そしてブラフ18番館の居室で一番華やかに飾られたダイニングルーム。
当時もこんな素敵なクリスマスを家で過ごしていたのでしょうか。

ダイニングのクリスマス風景

外に出て庭をぐるりと歩いてみました。
銀杏の葉が黄色く紅葉し、はらはらと落ちていたので、建物の周りには銀杏の葉でできた絨毯のようになっていました。

銀杏の葉が絨毯のよう

外交官の家は北欧のクリスマス

続いて、外交官の家に向かいました。
外交官の家は石川町の駅を降りてから、坂の上を見上げると印象的な外観が一部見えていたので、外観の全体が見えるとさすが絵になります。

パンフレットによると明治43年(1910年)に明治政府の外交官、内田氏の邸宅として東京の渋谷区に建てられていたそうです。
1Fが客間やダイニングルーム、2Fが寝室や書斎などプライベート空間となっています。

まずは西洋館の前にきれいに整えられた花壇があり、冬なのに色とりどりの花が咲いています。また、花壇のほかにも庭園の中は秋バラが見事に咲いていて華やか。

冬なのに花壇には花が満開

童話に出てきそうな建物

こちらの館内も中に入るときは検温と消毒をして、靴からスリッパに履き替えます。
居室に入ると北欧のクリスマスが演出。

赤を基調とした部屋はもう本当に華やかで圧巻です。

北欧のクリスマス飾り

大客間は、お客様をもてなすために用意された部屋で重厚で品のあるつくりが外交官の家らしい。当時の生活の様子に思いを馳せます。

大客間

階段のスペースにもクリスマスの装飾。
クラシカルな洋館は階段スペースがモダンに活用されて素敵です。

階段スペースがおしゃれ
階段スペースがおしゃれ

2Fは書斎や寝室などプライベート空間も重厚なつくりですが、1Fの客室より明るい色調で可憐な雰囲気。
クリスマスの飾りも手抜きなしです。

寝室
書斎

寝室などの居室の他にも浴室も再現されていて、バスタブやトイレ、シャワーなどの設置がありました。

書斎の装飾
書斎の装飾

外交官の家にはカフェが併設

西洋館を一通り見学した後は、外交官の家に隣接している「ブラフガーデンカフェ」で一休みしました。

座席は室内かテラス席を選択し、座席に案内されたあとは、料理を注文してテーブル会計で先に支払うシステム。

ケーキセット

今回はケーキセットで4種類のケーキの中からラムレーズンのケーキとホットコーヒーと選択。

ケーキとコーヒーは本格的。丁寧に淹れられたコーヒーはカップも素敵。
ラムレーズンのケーキはスポンジの間にレーズンが挟まり、チョコソースがまとってあり、生地もしっとり系。ほっと心がおちつくおいしさでした。

ラムレーズンのケーキ
ラムレーズンのケーキ

すこし歩いて旧山手68番館へ

コーヒータイムで落ち着いて、元気が復活したところで山手イタリア山庭園から少し歩いて旧山手68番館まで行ってみることにしました。

山手イタリア山庭園から徒歩で約10分くらい。
途中には真っ赤に紅葉したきれいなモミジが迎える坂道を通過。

路地には真っ赤に紅葉したモミジ


山手地区の落ち着いた静かな道に大きなお屋敷が並んでいます。
公園が見えてきたなと思ったら、テニスコートと共に旧山手68番館がでてきました。

旧山手68番館

こちらの館内もクリスマスの装飾がされています。
いままで見てきた西洋館と比べるとだいぶシンプルですが、昭和9年に外国人の賃貸住宅として建築されたアメリカンスタイルの建物。
今は山手公園の管理事務所として利用されています。

山手西洋館を歩いてみたら

昔の洋館や建築物を見学するのか好きなからなら山手西洋館は見どころ満載。

昔の面影を残す洋館は居室も丁寧に復刻されて、季節柄クリスマスの装飾で華やかに 。

かつて外国人居留地だった頃のクリスマスもこんなふうに美しい装飾で楽しい時間を過ごしたのかなと思いを巡らしました。

今回見学していない西洋館は、元町・中華街駅からぐるりと回って、レトロモダンなカフェやランチと組み合わせてゆっくり見学してみたいと思います。

※こちらの記事は2022年12月の情報です。

東京に残る西洋建築のブログはこちら↓↓
【東京・散策】歴史ロマンを体験!駒場東大前から前田邸を見学② 
夏の上野観光は蓮の花を見ながら旧岩崎邸庭園と湯島のカフェへ

外交官の家およびブラフ18番館
住所:〒231-0862 神奈川県横浜市中区山手町16
交通:JR石川町駅元町口より徒歩約8分

旧山手68番館
住所:〒231-0862 神奈川県横浜市中区山手町230
交通:JR石川町駅元町口より徒歩13分

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