東京都葛飾区の柴又と言えば、映画「男はつらいよ」の寅さんの聖地。
柴又帝釈天や駅前から続く出店や土産物屋で賑わう参道はテレビでも時折紹介されていて、東京の下町情緒があふれる楽しい観光スポット。
その近くに大正ロマンあふれる建物があり、敷地内で喫茶も利用できる「山本亭」は窓越しに見える日本庭園が美しい風情ある観光名所。
古民家好きとしてはすぐに行ってみたい。ぜひとも喫茶も利用したい。
ということで柴又駅へと向かいました。
目次
柴又帝釈天の参道からスタート
インターネットで山本亭のアクセスと確認すると、柴又帝釈天の裏手にあるとのこと。
まずは柴又駅で降りてから柴又帝釈天方面に向かうと、目の前に広がったのは・・・
柴又帝釈天へ続く土産物屋が連なる参道。
この景色は旅行者の心をつかみます。
名物の草だんごやうなぎ屋、漬物や、土産物屋などなど・・・のんびり店先を見ながら歩いて行くのが楽しい。
下町情緒あふれるお店が並ぶ参道をどんどん進んでいくと、柴又帝釈天がみえてきました。
正式名称は、経栄山題経寺(きょうえいざん だいきょうじ)。
1629年から始まった日蓮宗の由緒あるお寺です。
柴又帝釈天の脇に長い白壁が続く道があり、奥へとまっすぐ進んでいくと今回の目的地、山本亭が見えてきました。
和洋折衷の建築物と美しい日本庭園
敷地の中に入ると、まず靴を脱いで備え付けのビニール袋に入れるか、下駄箱に靴をしまって館内へ。
すぐ目の前に受付があり、入場料は100円。
そのほか抹茶セットやコーヒーセットなどお茶の食券も販売されています。
入場料と一緒に購入しても良いですし、ぐるっと館内をまわった後に受付に戻ってきてあとから食券を購入しても大丈夫。
今回は、先に入場料だけ支払い、館内を見た後に様子を見て食券を買うことにしました。
山本亭とはどんなところ?
山本亭は台東区にあるカメラの部品製造会社の創設者、山本栄之助氏の自宅でした。
その後、1988年に葛飾区が取得し、1991年に一般公開されたそうです。
(パンフレット参照)
見どころは日本家屋にの中に洋室もある和洋折衷な建築。
畳と赤いじゅうたんの広い和室は美しい池やきれいに剪定された木々が映える庭園がぐるりと見渡せるつくりになっています。
大きなガラス戸やガラスの欄間が日本庭園をより一層美しく見せています。
ガラス戸は古民家でよく見られる、昔の厚手のガラスが使われているので、ガラス越しの景色がゆらゆら揺らいで見えます。
訪れた日は蒸し暑い日だったのでガラス戸はカラッと開けられて、自然の風が部屋全体に行き渡り、程よい涼しさ。
しばらくは畳敷きの和式が続く広間や縁側などをゆっくりと歩いて眺め、庭園が絵画のように見える部屋の造りに感心しながら、しばらく放心状態で景色を眺めていました。
唯一の洋室鳳凰の間
館内には、旧玄関の脇に鳳凰の間という洋室があります。
漆喰の白壁にマントルピース。窓には色のついていないステンドグラスがはめこんであり、
レトロモダンな美しい居室でした。
この色のついていないステンドグラスの窓、というのが控えめなのにおしゃれ。
洋室はそれほど広くはないのですが、照明から床の模様まで大正ロマンを感じる技があちこちに施されていました。
ひととおり見学したあとは、ゆっくりとお茶をしようと受付に行きました。
コーヒーのセットや抹茶セット、ラムネなどいくつかのドリンクやおやつメニューがあり、その中から、冷抹茶と和菓子のセットの食券を購入しました。
庭園を見ながら日本茶と和菓子を楽しむ
食券を購入後は好きな座席でお茶を楽しめます。
今回は正面に日本庭園が眺められるテーブル席が空いていたので、そちらに足を伸ばして寛ぎながらお茶にしました。
冷抹茶とあじさいをモチーフにした和菓子。
冷たくてさわやかな抹茶に上品な和菓子の甘みがよく合います。
他のテーブルを眺めてみると、みなさん好きな格好で庭園を見ながら寛いでいます。
中には畳の上にしっかり寝転んで満喫している姿も。
まるでおばあちゃんの家に遊びに来た家族みたい。
思わず寝転びたくなるような雰囲気がこの館内には溢れています。
肩肘張らずに古民家見学できるのも魅力のひとつかもしれません。
柴又帝釈天参道沿いの食べ歩きが楽しい
山本亭の見学はその建築物に魅力があるのはもちろんですが、ここに到着するまでの柴又帝釈天の参道を散策するのも楽しみの一つ。
情緒あるお店の中には昔から親しまれてきた老舗もたくさん並んでいます。
今回ランチで利用したお店は草だんごと天ぷらの大和屋さん。
家族へのお土産に草だんごでも購入しようと団子屋さんをぶらぶら歩きながら眺めていた時に見つけたお店でした。
食欲をそそるサクサク天ぷら&もちもち草だんごの店
大和屋さんを見つけた、というよりは天ぷらの香りで引き寄せられた・・という方が正しいかもしれません。
店先でパチパチと軽い音を立てながらエビがカラリと揚がっていく様子がおいしそう。
ごま油の香りに気持ちが持っていかれお腹も鳴り出します。
大和屋のご主人に店内の利用ができるか確認すると、ご飯物ならOKということで、こちらで並天丼をいただくことにしました。
こちらのお店は創業138年の老舗だと後で知りました。
なんでも寅さんの映画監督も撮影の合間に利用されていたこともあるという有名なお店。
天ぷらの香りに誘われてふらっと入ったお店が老舗で有名なお店だったとは。
奥の店内に入ると、昔ながらの甘味屋さんらしい気さくな雰囲気。
メニュー表もシンプルで天丼の並みか特上か、天ぷらご飯。
おまちかねの並天丼は鱧とエビの天ぷらに濃い目の甘じょっぱいタレがかかっていました。
天ぷらは薄焼きのように平たく大きい天ぷら。カラッと衣が揚がっています。
天ぷらをかじるとザクザクと心地よい歯ごたえ。
甘じょっぱいタレで食がすすみ、あっという間に完食しました。
良い油のおかげか、食後に胃がもたれることもありませんでした。
天丼がおいしかったので、お土産に草だんごもお買い上げ。
こしあんに濃い緑の草餅がもちもちでおいしかったです。
草だんご食べ比べをしながら参道を歩く
11月に柴又を再訪しました。
陽射しの暑い時期を過ぎると外でのんびりと食べ歩きが楽しい時期になります。
帝釈天参道沿いのお店はお団子を販売しているお店がたくさん。
お土産用に箱売りされていたり、食べ歩き用に1串から購入できるものや喫茶室で3種類ほどの団子とお茶のセットで提供するお店も。
どこで購入したらよいか迷ったときは、1串から販売しているお店のだんごを食べ比べして、自分好みのお団子を見つける食べ歩きも楽しいかも。
また、11月に柴又帝釈天を再訪した時は、お団子の他に甘酒のメニューを出しているお店もいくつかあり、ホッとする温かさと素朴な甘みに癒されました。
柴又を歩いた感想は
柴又駅を降りるまでは、下町情緒あふれる参道と柴又帝釈天のざっくりしたイメージで、浅草の浅草寺と仲見世に似た感じかな、と思っていました。
実際に歩いて見ると、浅草の浅草寺や仲見世に似たところはあるのですが、どことなく温泉街にある商店の街並みにも似ていて、柴又独自の情緒を感じる楽しい町でした。
山本亭は、歴史ある貴重な建築物であるけれど、つい寝転びたくなるような親しみやすい雰囲気が魅力のひとつ。
ただぼんやりと景色をみているだけでじゅうぶん寛げる癒しの時間でした。
近くには矢切の渡しもあるし、老舗の食事処は他にもまだまだあります。
由緒ある柴又帝釈天や歴史ロマンを感じる山本亭、参道沿いの楽しい食べ歩きなど、魅力的な観光スポットがギュッと詰まった町。
なにも計画せずにふらっとお散歩でも十分楽しめそうです。
紹介した場所
◆山本亭
住所:東京都葛飾区柴又7丁目19−32
交通:京成線 柴又駅より徒歩で約6分
◆柴又帝釈天
住所:〒125-0052 東京都葛飾区柴又7丁目10−3
交通:京成線 柴又駅より徒歩約8分
◆大和屋
住所:東京都葛飾区柴又7丁目7
交通:京成線 柴又駅より徒歩約2分
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