鎌倉山の桜並木

実は「湘南モノレール」を知ったのはつい最近のこと。
大船駅から湘南江ノ島までを結ぶ路線で、レールに車両がぶら下がった懸垂式モノレールという珍しいスタイル。

大船駅から終点の湘南江ノ島まで乗車時間は14分という小さなルートは、地元のかたの大事な足として利用されている乗り物です。

また、鎌倉の奥側、西鎌倉エリアを散策できるため、ちょっと珍しいモノレールに乗って、途中下車を楽しみながら鎌倉の穴場的スポット、西鎌倉を中心に春の遠足気分で出かけてみました。

西鎌倉の道沿いの花壇

途中下車が楽しい湘南モノレール

まずはモノレールの出発地点である大船駅から散策スタート。
大船駅の南口改札を出て、「湘南モノレール」の案内標識の方へ向かいます。
駅ビル沿いに通路があるので進んでいくと、モノレールの改札や切符売り場が出てきました。

湘南モノレール

湘南モノレールは1日券がお得

モノレールの切符は大船から湘南江ノ島まで片道320円。

1日券は610円なので、大船から湘南江ノ島を往復しただけでも安くなります。
気ままに途中下車をしながらぶらぶら散策するなら1日券がお得で楽。

早速券売機で1日券を購入しました。
なお、券売機ではIDカードで支払いができないので現金での購入となります。

ちなみに1日券でなく、普通の運賃は、IDカードが他の列車と同様に使えるので、自動改札でピッとタッチでホームへ向かうことができます。

チケットを入手したら、今回は鎌倉山でランチと桜のお花見散策をするため、西鎌倉駅まで乗車することにしました。

しばらくするとホームにモノレールがホームにするすると到着。
よく見ると、レールにぶら下がっているためたしかにモノレールが浮いている。

モノレールのホーム
湘南モノレールのレール
湘南モノレールのレール

ホームも高台にあるので、車窓からの景色は上から眺めるスタイル。
民家の屋根越しに遠くの空まで見ることができました。

大船駅を出発すると白くて大きな大船観音の姿もすぐに発見することができます。

ルートは急なカーブや傾斜のある道のりを進んでいくので途中揺れることもしばしば。
そんな場面がジェットコースター気分になり、普段の列車とは違って旅行気分を高めることができました。

鎌倉山の桜並木と春らしい景色

西鎌倉駅を降りて鎌倉山入口まで徒歩では20分ほど。
西鎌倉駅のすぐ近くに津村というバス停があり、津村から鎌倉山までは4,5分の乗車で到着しました。

鎌倉山入口には道路の両脇から桜並木。
アーチ状になった箇所もあります。

ゆっくりと桜を眺めながらなだらかな坂を登っていきます。

道路の両脇に桜並木
階段に桜のアーチ

さくらのアーチや、階段沿いに桜が満開。
春らしい景色を楽しみます。
また、桜以外も電柱の下の雑草が色とりどりのかわいい花を咲かせて花壇のよう!

風や鳥が運んだ種が思いがけないところから芽吹いた草花が春を知らせます。
西鎌倉の町は雑草までがステキな風景を作り出していました。

電柱の下には色とりどりの花が満開

なだらかな坂道の途中でみかけた眺めの良いカフェ。
鎌倉の山々を眺められるように大きなテラスが設置されたおしゃれなカフェなので、利用客の車で賑わっていました。

テラスがあるおしゃれカフェ

風光明媚な庭園と日本料理らい亭

眺めの良いカフェの沿線に今回の目的地、日本料理らい亭が出てきました。
門構えはまさにお寺の入口で、これからご飯を食べに行くというより、観光名所を訪ねてきた気分になりました。

お店の敷地の広さや雰囲気から、懐石料理のコースでも頼まないといけないような気がしてきますがご安心を。

1Fのフロアではお蕎麦など一品料理から利用できるので鎌倉山の散策ついでにランチ利用でも大丈夫です。

らい亭入口から庭園の方へ進む

敷地内に入ると受付があり、広大な庭園の拝観料500円を支払うシステムがあります。

らい亭で食事をすると拝観料500円分を食事代から引かれるので、食事をした人は実質拝観料がかからないことになります。

この拝観料、あらかじめ食事の予約をしていると受付で支払わずに庭園を見て回ることができます。席だけ予約でも同様に拝観料は取られないので予約をしていた方がスムーズです。

庭園は広大で趣向の凝ったらい亭

らい亭食事処
らい亭本館

食事の予約時間まで余裕があったので、庭園をじっくりと散策することにしました。
まずは食事処の前には芝生が広がります。

らい亭本館の建物は江戸時代に建築された豪農のお屋敷を改築された趣のあるお店。
渋い木造建築に緑の芝生と青い空が映えます。

芝生の広場の先には日本庭園のようなきれいに剪定されたお庭があったり、八角堂や仁王堂など貴重な建物が点在しています。

中でも注目したのが、かやの木の化石。
中が空洞になっていて、水がめのように設置されていますが、普通の木に見える!
まさか化石になったものとは・・・。大分県にあったものを移築されたそうです。

榧木の化石を趣よく配置

また、圧巻だったのは竹林。
木々が生い茂り、お木陰を作っている山道を歩いていると緑鮮やかな竹林がありました。

ちょっと凝った石門があり、そこをくぐると一面の竹林。

凝った石門の先に竹林
凝った石門の先に竹林
広い竹林

庭園の場所ごとにいろんな植物が植えてあるので、季節によってまた趣が変わりそうです。

また、山道の中には各地方から蒐集された石像や石仏が設置してあります。

貴重な石仏が並ぶ


鳥居があるな~と思っていたら、なんと鎌倉山天満宮までありました!
学問の神様、菅原道真公をお祀りされていて、毎月25日には月例祭を行っているそうです。

訪れた日は天満宮の建物にミツバチの巣ができてしまい、危険なため鳥居の先には近づくことができませんでした。

鎌倉山天満宮

また、石像の中には二宮金次郎の姿もあります。
各地の学校で見られるなじみのある石像が、らい亭のお庭にひっそりと佇んでいました。

よく見ると、今のご時世に合わせてマスクをしています。
淡いピンクの花柄が散った可憐なマスク。
顔立ちも今風でうっかり気安く「ニノ」と呼びたくなりました。

なぜか二宮金次郎像

西鎌倉の景色と揚げたての天ぷらせいろ

予約した時間になったので、1Fの食事処へ向かいます。
確保されていた席は、窓側のお庭が見える場所を用意されていました。

歴史ある建物なので、昔ながらのちょっとゆがみのある窓ガラス。
この古民家特有のガラス窓は趣があって好きなガラスです。
その窓から見える広大な庭がまた格別でした。雲が少ないからっと晴れた日は富士山が見える座席だそうです。

窓側の座席


今回は少し雲が出ていたので富士山は見えなかったのですが、それでも十分景色の良い座席でした。

そして食事は天せいろそばを選択。
カラリと揚がった天ぷらは塩が添えられていました。

少し細麺のせいろそばはのど越しよくさっぱりして歩き回った体に沁み渡ります。

天ぷらを天つゆや蕎麦と一緒に食べたり、塩で味わったりしてあっという間に完食。

揚げたての天ぷら
揚げたての天ぷら
のどごしのよいせいろそば


満足しながらお店を出ると青い空には1本のひこうき雲。
ふとした風景が旅情を盛り上げました。

近くに穴場的スポット夫婦池公園

らい亭のすぐ近くは夫婦池公園の入口があります。

夫婦池公園の入り口付近も桜の花で彩られています。
入口の階段を降りて園内に進むと、「ギャーギャー・・・」と何かが叫んでいる声が聞こえてきました。

鎌倉ではおなじみのリスたちです。
西鎌倉エリアは木々や自然が多いのでリスの遊び場が多いのかもしれません。
今回も木々の間を3匹ほどがじゃれあいながら走り回っていました。

夫婦池公園

鬱蒼と茂る木々の道を進んでいくと、前方に小さく人の姿は見えますが、全く混雑は見られないのでとても静か。

ウグイスの「ホーホケキョ」の鳴き声とリスの「ギャーギャー、ケタケタ」という滑稽な声が混ざり合い、木々に響き渡っていますが、自然の中の音だけが聞こえていました。

しばらくすると大きな池が現れて、そこにも点々と桜の花がさいていました。

広い敷地の中人影がまばらなので、のんびりと自然を満喫するのに良いスポットです。
池の奥にはちょっとした広場があり、木のベンチとテーブルが設置されていました。

そこでお弁当を食べているご夫婦がいらしたのですが、その空間はウグイスの声や、高音で、きれいな声の野鳥の鳴き声だけが聞こえてきて、なんとも贅沢でステキなランチだなと思いました。

夫婦池公園
池にも桜が・・・
池にうかぶ鴨
公園内はとっても静か

鎌倉山で英国式ティータイム

鎌倉山入口の付近にはヨーロッパの雰囲気のかわいらしいカフェがあります。
英国風アンティーク雑貨に併設されたカフェの「ハウス・オブ・ポタリー」。

ハウスオブポタリー

きっと雑貨が好きな方にはたまらない、イギリスカントリー風の店内や食器、小物などがセンス良く配置されていました。

カウンターにはケーキ、スコーンなどが並び、アフタヌーンティーも楽しめるようす。
スイーツやお茶だけでなく、キッシュやソーセージロールなどのランチセットのメニューもあります。

英国風の店内

下の料理写真はキッシュのランチセット。
これは後日、鎌倉山を再訪した時のランチでいただきました。

セットメニューにはブロッコリーのポタージュと紅茶がついてきました。
紅茶の茶葉は数種類の中から好きな茶葉を選択することができます。

キッシュのセット
キッシュのランチセット
ブロッコリーのポタージュ
ランチセットのブロッコリーポタージュ


お店の方も上品で感じよく、のんびりと食事を楽しむことができたので、散策途中の休憩に癒されました。

西鎌倉で人気のケーキショップ

西鎌倉の駅近くには地元で人気のケーキ屋さんレ・シューがあります。

こちらのお店はメルヘンな感じで小さな女の子が好きそうな夢のあるスイーツのお店。
プリンが有名と知り、お土産にプリンとクッキーを購入しました。

ケーキ屋さん レ・シュー

プリンはとろとろやわらか系。
クッキーはどれもサクサク、ホロホロの食感で好きなタイプでした。

また、クッキーは「訳ありクッキー」という詰め合わせがあり、割れていたり、形がかけてしまったクッキーを詰め合わせてお得な値段で販売されているセットを購入しました。
自宅用であれば割れていても全く問題ありません。食べるとき割ってしまうし、お得においしく頂きました。

レ・シュー店内の様子

お店に入店したときはまだそんなにお客さんがいなかったのですが、あれこれ商品をみながら迷っていると、あっという間に混んできたので、やはり人気店なんだなと実感。
今度は美しいケーキを食べてみたくなりました。

湘南モノレールで西鎌倉を歩いてみたら

モノレールの1日券があるので、他の駅にも降りてみようと、片瀬山に移動しました。
片瀬山駅から15分くらいのところに富士見坂という坂があり、富士山のビュースポットとして有名だそうです。

片瀬山駅の周りも静かでしたが、富士見坂も閑静な住宅街を通過して出てくるスポット。
訪れた日はあいにく雲が多くて富士山はみえませんでしたが、住宅街の屋根の先に見える海がなんとも良い雰囲気でした。

湘南モノレールで訪れる鎌倉の穴場スポットは落ち着いて散策ができて、モノレールに乗車するだけで観光気分にもなるので、おすすめです。

帰りの電車の車窓
帰りの車窓の中で

1点気を付けることは、モノレールの駅は小さいので、トイレの設置が少ないことです。
大船など大きな駅にはトイレ事情は大丈夫ですが、途中の片瀬山駅など小さい駅は駅構内では見当たらないので、お店を出る前とか、大きな駅から離れる前にトイレを済ませておくのが安全か思います。

それでものんびり湘南モノレールの旅は気分転換にぴったり。
何気ない通り道や生垣など、なんでもないところが絵になる風景だったり、町の中なのに事前が身近に感じられる場所だったり、歩きたくなるスポットがいろいろです。

今度また、違う季節にふらりと歩いてみたくなりました。

さくら

紹介した場所

らい亭

らい亭
住所:〒248-0031 神奈川県鎌倉市鎌倉山3丁目1−1 高砂
交通:●JR大船駅よりバスで20分。
●湘南モノレール西鎌倉駅よりバスで鎌倉山行きもしくは鎌倉経由江ノ島行き乗車。鎌倉山で乗り換え。鎌倉行のバスで「高砂」下車。
●湘南モノレール西鎌倉駅から徒歩で約20分

夫婦池公園
住所:〒248-0027 神奈川県鎌倉市笛田3丁目43−7
交通:湘南モノレール西鎌倉駅から徒歩で約20分

ハウス・オブ・ポタリー
住所:〒248-0031 神奈川県鎌倉市鎌倉山3丁目17−25
交通:湘南モノレール西鎌倉駅からバス「鎌倉山」下車すぐ。
JR大船駅からバスで15分。JR鎌倉駅からバスで20分。バス停鎌倉山で下車して1分。

レ・シュー本店
住所:〒248-0035神奈川県鎌倉市西鎌倉1丁目1-10
交通:湘南モノレール西鎌倉駅より徒歩約5分

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