「古墳」といえば、大阪や奈良を思い浮かべますが、東京23区内にも古墳群があると聞いて、古墳散策に興味がでてきました。
しかも最寄り駅は田園調布。
都内の住宅街と古墳という組み合わせがどういうものなのか想像がつかず、田園調布の散策へでかけてみることにしました。
初めて下車した田園調布駅は、古墳群のほかにも、注目する箇所があり、充実したお散歩コースとなりました。
かわいらしい駅舎と銀杏並木
東急東横線の田園調布駅の西口に出て、まず目に入ったのはかわいい駅舎!
田園調布駅の復元された駅舎で、かつてホームが地下化したときに解体されたのですが、地元の方たちの要望で昔のままの姿で駅舎を再現されたそうです。
サーモンピンクの屋根がかわいい建物で、まるでジブリのアニメに出てきそうな雰囲気。
閑静な住宅街の雰囲気によく合います。
渋沢栄一が晩年、理想の住宅地づくりのために開発したといわれるこの街は、放射線状に道が広がり、銀杏並木が続いていました。
銀杏並木のその先に蓬莱公園と、古墳群の多摩川台公園と続きます。
銀杏並木は今の時期は緑が濃くてきれいですが、紅葉の季節はこの並木が一斉に黄色く紅葉するのだなと思うと圧巻です。
落ち着いた雰囲気の街並みとどこまでも続く銀杏並木が、散策意欲をかきたてられて、どんどんと公園のほうへ進んでいきました。
都内の古墳群は緑のオアシス
蓬莱公園を過ぎると勾配が急な坂道がでてきたなと思っていたら多摩川台公園に到着。
石を積み上げた塀が続いてかなりの広さがある公園。
緑が濃い森の中、鳥のさえずりが聞こえてきて、なんとも長閑な雰囲気。
時折、散策している方と出会うのですが、全体的に静かで木々が直射日光を遮るので日傘なしでもおちついて歩くことができます。
初めに「蓬莱山古墳」を通過し、そのあとも時々「第〇号墳」という札が建てられているので、「ああ、ここに古墳があるんだな」と思うのですが、見る限りはちょっとこんもりした森にしか見えません。
少し開けたところがでてきて、その先に「亀甲山古墳(かめのこやまこふん)」と標識が出てきました。前方後円墳とのことですが、やはりこんもりとした森にしか見えず。
近くには無料の古墳展示室があり、古墳のレプリカや出土品の展示があり、空調の効いた館内で涼みながら古墳群の成り立ちについて確認しました。
多摩川の古墳群は4世紀頃~7世紀頃に造られたもので、約2キロほどの距離の中に大小の古墳が連なっているとか。
また、亀甲山古墳はまだ発掘調査が行われていないので詳細不明となっていたので、もしも、今後調査が進められて、新しい発見がでてきたら面白いですね。
多摩川に沿って作られた古墳群は、今は大きな公園となって歩くのが気持ちの良い緑道となり、地元の方のオアシスになっているんだなと実感しました。
古墳の他にも水性植物園があり、目にも涼しい風景。
このあたりで折り返して、田園調布駅のほうへ戻ることにしました。
田園調布駅前のかわいいカフェ
駅まで戻ってきたところで、ちょうど3時ごろだったので、一休みしようとあたりを見渡すと、1件のかわいいカフェを見つけました。
本当に駅のすぐそばのカフェだったので、座席が少ないとか、落ち着かないのかな?など不安な気持ちでおそるおそる扉を開けると、木目調のオシャレな空間。
コーヒーも本格的でフードメニューもランチ系からスイーツまでいろいろある様子。
座席もテラス席や2Fまであり、余裕で座席を確保することができました。
かわいい駅舎がある街に似合うカフェ「ペリカンコーヒー」。
ペリカンオリジナルブレンド(550円)とリンゴキャラメルクレープ(770円)をオーダーして休憩をとることにしました。
クレープはもちもちの生地で、甘く煮詰めたりんごとキャラメルによく合います。
外は暑かったので、アイスコーヒーにしようか迷いましたが、1杯ずつ丁寧に淹れているコーヒーを見て、ホットにしましたがこれが正解。
おいしいコーヒーに癒されました。
初めて歩いた田園調布。今までは単なる住宅街と思っていたのですが、かわいい駅舎やおしゃれカフェ、長く広い古墳の公園など、新しい発見がいっぱいありました。
今まで来たことがなかった町にふらりと降り立つと、旅行したような気分になることも新しい発見でした。
※こちらは2022年7月の情報です。
紹介した場所
◆多摩川台公園
住所:〒145-0071 東京都大田区田園調布4丁目2−12
交通:東急東横線 田園調布駅の西口から徒歩約9分
◆ペリカンコーヒー
住所:〒145-0071 東京都大田区田園調布3丁目25−17
交通:東急東横線 田園調布駅の西口下車してすぐ