JR上野駅の公園口を降りるとすぐに、都会のオアシス上野公園。
春には桜並木が咲き誇り、花見客でにぎわい毎年その様子をメディアが取り上げる場所。
また、公園内には上野動物園や美術館が点在し、いつも観光客で人が多いイメージ。
また、上野の杜の中には、風情ある日本家屋が佇んでいます。
その日本家屋の前に出ている「韻松亭」の看板。
明治時代より営業している老舗の懐石料理店。
いつもお店の前を通ると気になっていたのですが、予約がないと行列覚悟の料理屋さん。
お盆休みを利用して韻松亭の昼食を予約してみました。
目次
韻松亭の歴史と上野公園のはじまり
お店のホームページを拝見すると、開業したのは明治8年頃。
当時の日本政府の方針で都市公園化計画が進む中、寛永寺もその1つとなり、山1つ分の広大な敷地からほんの一部に縮小され、ほとんどが上野公園となりました。
寛永寺の敷地から上野公園として運営することになると、公園内に飲食店を設置する流れとなり、韻松亭の営業が始まったそうです。
お店の伝統を守る豆腐や豆菜料理
こちらのお店では豆腐や豆菜料理に力をいれており、国産の豆を使って鮮度の良い季節野菜など素材にこだわっているそうです。
豆菜料理は豆腐や湯葉、おからなど。
そのほかこんにゃくや生麩までお店で手作りをお出ししているとのこと。
繊細の料理をじっくり堪能するのが楽しみです。
歴史ある室内も見どころの一つ
店内に入ると、まるで温泉旅館の様な風情ある雰囲気。
玄関で靴を脱いで、2Fのお座敷に案内されました。
広い畳の大広間は、パーッと目の前に広がる大きな窓から見渡せる上野の杜。
気持ちの良い畳の広間に古くから使われてべっ甲色でツヤのある木の窓枠。
鮮やかな木々の葉が良く映えます。
案内されたお部屋は全て座敷でしたが、部屋によってはテーブル席もありました。
昼の献立・美しい花籠膳
お昼の献立は花籠膳・月から予約が可能でした。
花籠膳(¥2950)・・・お店で手作りしているこだわりの豆腐・ゆば・生麩が入った華やかなセット。
しばらくするとドリンクが運ばれてきて、生ビールで乾杯。
この日は朝からまとわりつくような蒸し暑さだったので、スッキリとしたビールで先にのどを潤しました。
その後、運ばれてきた花籠膳。
品のある竹の籠に入って、蓋がかぶせられた状態で登場。
籠の蓋を開けると、パッと色彩豊かなお惣菜。
まるでお花のように可憐で鮮やか。
花籠膳はお店のこだわり料理が集まったセット
お店のこだわりの豆腐、ゆば、手作りこんにゃくが少しずつ美しく盛り付けられています。
豆腐やおから・・・。
お店こだわりの素材と技術で作り上げている豆料理。
豆の甘みがじんわり感じて、豆腐は旨味が濃い!!
おからもなフワッとめらかな食感がたまらない。小さな器に入っていたけれどお茶碗くらいの大きさで食べたくなくほど・・・。
手作りのこんにゃくは醤油などを加えなくても旨味を感じるおいしさとなめらかさ。
籠の中の惣菜を頂いていると焼き魚の皿が登場。
脂の乗った焼き魚にさっぱりとした玉ねぎのマリネがよく合いました。
とくに気になったのは豆ごはん。
香ばしい香りと、ちょうどよい塩気のご飯がおかわりしたくなるほどおいしい。
ちなみに豆ごはんと赤だし味噌汁はお代わり自由でした。
食後は生麩とお茶のセットでシメ
お料理をいただいたあと、食器類が下げられて、代わりにでてきたのは甘味とお茶のセット。
見た目に涼しげな笹の葉にくるまれていたのは麩饅頭でした。
しっとりとしたつややかな生地は食感はモッチリ。
さらりとしたこしあんが中に入っています。
上品な甘さの麩饅頭とさっぱりとしたお茶で程よくお腹が満たされました。
食事をしてみた感想は
以前から気になっていた歴史ある日本料理のお店のランチ。
1つ1つ丁寧に料理されたお惣菜は繊細で上品な味のほかに、見た目も籠一杯の花が盛り付けられているような美しさに職人技を感じました。
また、料理だけでなく丁寧に使い込まれた純和風建築の建物は上野の杜と調和してこの店ならではの風情が、より一層料理をおいしく感じました。
日本の観光地の中でも有名な上野公園。
韻松亭のランチには外国人のお客様も多く見られました。
今回訪れた夏の季節なら、朝のうちに不忍池で大輪の花が満開の蓮の花見をしたあとにお昼ご飯を韻松亭でいただくと豪華で風情ある上野の旅が体験できるのではないでしょうか。
紹介した場所
◆韻松亭
住所:東京都台東区上野公園4-59
交通:JR上野駅 公園口より徒歩約3分
蓮の花満開の不忍池についてはコチラ↓↓