神保町と言えば、カレーの町、古本の町のなどいろいろな顔を持つ繁華街ですが、喫茶店が集まる町としても有名な場所。
老舗の喫茶や話題のお店、チェーン店はもちろん数えだしたらキリがないはず。
また、神保町は路地も多く、ちょっとした小道に名店や粋な喫茶が並んでいるので気が抜けません。今回は印象に残っている喫茶店について綴ってみました。
目次
タンゴが流れる昭和レトロな喫茶店
神保町駅A7出口付近はおもしろい。
ちょっと他の町では見かけないような個性的な細い通りがあります。
地下鉄の出口に続く階段を登って地上にあがり、すぐの細い脇道にはいるとあちらこちらに老舗喫茶店や人気カフェが並んでいるのです。
ランチタイムや週末になるとその喫茶店の前に行列ができて神保町ならではの独特の雰囲気が醸し出しています。
喫茶店が並ぶ細い道を通過した突き当りに見えてくるのは「ミロンガ ヌオーバー」。
こちらの喫茶店も昭和レトロな老舗カフェで神保町の名喫茶として有名店の1つ。
1953年に創業した歴史ある喫茶店は、本来は別の場所にあったお店が老築化のため現在の場所に移動して、2023年2月に新店舗として営業されたそうです。
店内は照明の明るさを落とした淡い光の中、アルゼンチンタンゴの曲が流れている空間はどこか外国のカフェに迷い込んだ気分になりました。
今回はカウンターの席へ。
木製のカウンターは少し手前側が斜めになっていて、わずかなゆがみがレトロな味わいが生まれていました。
壁には老舗喫茶店や他のお店のマッチが並べられ、各マッチのデザインがモダンでこれもまた良い雰囲気を演出されています。
オーダーしたのはブレンドコーヒーとさつまいものチーズパイ。
香り豊かでスッと飲みやすいブレンド。
しっとりとした食感で素朴な甘みがおいしいサツマイモが上に乗ったパイ。
少し固めで噛みしめると生地の旨味がひろがるパイはブレンドとよく合いました。
タンゴの曲が流れているせいか、利用客の話し声も曲の中に溶け込んでうるさく感じることがありません。
レトロな空間と淡いあかりの照明で一人で利用しても周りを気にせずにのんびりと寛げる時間でした。
すずらん通り沿いにモダンな老舗喫茶店
神保町駅から続くすずらん通り。
この商店街は老舗の中華や話題の餃子店、洋食屋などなど魅力的なお店がいっぱい。
あちこち気になるお店を確認しながら進んでいくと地下に続く階段の前に、喫茶の看板が見えてきました。
なんとなく歴史がありそうな雰囲気を感じながら地下へと続く階段を降るとそこは、サロンド冨山房 FOLIO。
こちらは出版社の富士房インターナショナルが運営している喫茶店。
重厚そうなドアを開けると店内は、落ち着いた木目調のインテリアでまとめられたクラシカルな雰囲気。
蝶ネクタイにベストを身に着けたマスターがこのクラシカルな店内の雰囲気にピタリとはまり、颯爽とした身のこなしで案内していただきました。
地下の店内は思っていたよりも広いフロア。平日の午後だったせいか、比較的おちついている様子。好きな座席を選択してほっと一息。
選んだ座席は、レトロモダンなデッサン風のイラストが飾られているテーブル。
かわいらしいイラストに和みながらメニューをパラパラとめくります。
朝から暑い日だったのでコーヒーフロートを注文。
英国風な店内は静かで涼しい。
ひっそりと他の座席の男性客の話し声がBGMのように聞こえてきて、落ち着いた時間が流れてきます。
数分後にテーブルに運ばれてきたコーヒーフロート。
ミルクの風味感じるバニラアイスと香り豊かなコーヒーが和みます。
静かで穏やかな空間に、甘くて冷たいフロートに癒されてつい長居したくなるような場所。
次回また、疲れた時にはこちらで和んでみようと計画を立ててみました。
★★サロンド冨山房 FOLIO再訪しました★★
神保町へ別の機会で訪れた時に、サロンド冨山房 FOLIOに再訪しました。
ケーキセットの中からプリンを選択。
ケーキセットのドリンクは、メニューの中からどれを選択しても一律1000円とお得。
今回はアイスカフェオレとプリンのセットでオーダー。
たっぷりサイズのグラスに入ったアイスカフェラテと昔ながらの固めのプリンの組み合わせ。
蒸し暑い外の空気から爽やかですっきりのカフェラテと、むっちりした食感のまろやかなプリンに癒されます。
プリンを食べ進めていくと、あらびっくり。
下に4つほど小さなマシュマロが隠れていました。
カラメルソースに浸されておいしい隠し味。
昔ながらのカスタードプリン、おすすめです。
神保町で人気の石窯パンケーキ
地下鉄の神保町駅7番出口からすぐの喫茶店激戦区の中にあるパンケーキが話題のお店。
「石窯ベイクブレッドタムタム」はいつもお店の前を通ると長い行列ができていたので気になっていました。
午前中、この日はお店の前を通りかかると行列がありません。
午前中の時間帯が穴場だったのでしょうか。
今がチャンスとばかりに入店!
朝食を抜いていたので、気になっていた石窯パンケーキをいただくことにしました。
店内は小さいけれどウッディで落ち着くかわいらしいお店。
周りを見渡すと女性客や家族連れの先客がぽつぽつと。
カウンターには男性の方もいらっしゃいます。
やはりパンケーキが人気の様で、他のテーブル席からスタッフのかたがパンケーキの説明をしている声が聞こえてきました。
石窯パンケーキは大きくて厚みのあるパンケーキが存在感あふれる姿で登場です。
パンケーキにはメイプルシロップと生クリームがたっぷり添えられて。
パンケーキの生地は外はカリっと、中はふんわりフカフカ。
とろけるバターとメイプルシロップがじわじわと生地にしみてしっとりと。
メイプルの甘さとバターの塩気がたまらない。
また、こちらのお店の生クリームは、少しゆるめに仕上げているので、生地に乗せていただくとスーッと軽やかに口の中で溶けてとってもおいしい。
生クリームがパンケーキの熱で溶けてしまうのが早いですが、この繊細な柔らかさがパンケーキのおいしさを引き立てていました。
ふとあたりを見渡すと、女性客も男性客もみなさん石窯パンケーキをいただいている様子。
大きくてふわふわな生地のパンケーキ。
パンケーキはやはり大人も子供のみんな大好き。
ちなみにこちらの石窯パンケーキは残ったら包んでくれて持ち帰りができる様子。
ただ、気が付いたら、すでに完食。
テーブルに運ばれてきたときにパンケーキのボリュームに「わあ、食べきれるかな。半分くらいでギブアップかも」
と思っていたことがまるで嘘のよう。
生地にメイプルシロップかけて、次は生クリームを乗せて、、。この作業を交互に繰り返し口に運んでいたらお皿の上のパンケーキはきれいさっぱりなくなっていました。
ホテルの喫茶室で憧れのプリンアラモード
山の上ホテルの喫茶室、コーヒーパーラーヒルトップでプリンアラモードの画像を見た時、可憐で優雅なスイーツにすっかり魅了されていました。
しかもメニュー名は「復刻デザート 山の上ホテルプリンアラモード」です。
復刻デザートって名称がさらに魅力を感じます。きっと熱い要望があって復活したのかな?などと想像を膨らませて。
山の上ホテルは日本を代表する文豪から利用されてきたアールデコ調のクラシカルなホテル。
ホテルのエントランスから喫茶室へ向かうところから喫茶の楽しみは始まっています。
喫茶室まではホテルの外から直接つながっている出入口もありますが、ここはあえてホテルの正面玄関から喫茶室へと向かいました。
クラシカルな館内を通過して喫茶室へ
エントランスから広がる待合室やフロントはこじんまりしていますが、ヨーロッパの国にありそうなホテルの雰囲気で非日常的な空間が気分をあげていきます。
喫茶室へ続く地下への階段を降りていくと、通路もまたモダンな雰囲気。
念願のコーヒーパーラーヒルトップ
実は、喫茶室コーヒーパーラーヒルトップに来たのは今回で2回目。
ただし1回目はお店の前まで来たのに、満席で利用できなかったので今回は仕切り直しの2回目の訪問でした。
前回、土曜の午後に立ち寄った時は、すでにお店の入口から混雑している様子。
それでもせっかく来たのだからと思い、順番待ちの機械を入力し、整理券を受け取ると・・・
なんと待ち時間が180分・・・。
コーヒーパーラーヒルトップ。甘く見ていた。スマン。
大変人気のある喫茶室だったことを思い知り、ここへ来るにはしっかりと計画を立てて混雑状況も考えて利用しなければ・・・と肝に銘じて今回再訪に至ったという経緯でした。
今回は平日の午後だったので待ち時間なしでスムーズに入店。
それでも店内は女性客やご夫婦、家族連れなど様々なグループ客で賑わっていました。
白いシャツに蝶ネクタイのウェイターさんが各テーブル席へスイスイと滑るような身のこなしでスマートに対応されています。
私たちもコーヒーとスイーツをオーダー。
しばらくするとテーブルセッティングがされました。
白の上品なランチョンマットにフォークやナイフが並べられて、優雅なティータイムの準備が進んでいきます。
口コミなどの情報によると、ランチョンマットに注目するべきとの情報が。
ランチョンマットをよく見ると、「HILL TOP HOTEL」の刺繍のふちどりがさりげなく施されています。
この隠れミッキーみたいな細やかなサービスも、ホテル喫茶の楽しみかもしれません。
復刻デザート プリンアラモード
いよいよ、あこがれのプリンアラモードが登場。
主役のカスタードプリンを中心に、バニラアイスとスワンのシュークリームが脇を固めます。
レトロな長方形のガラスの器にいろんなフルーツが散らばったプリンアラモード。
やはりこちらのプリンアラモードは、可愛らしいスワンのシュークリームは気になってしょうがない。
繊細なシューでできたスワンは上品で、食感も軽やか。中の生クリームも上品な甘さ。
昔ながらの固めプリンは、なめらか食感でコクのある味わいに思わずにっこり。
シンプルなバニラアイスはスプーンですくって味わうとびっくり。
バニラビーンズの効いた風味豊かなおいしいアイス。
ひさしぶりに本格的なバニラアイスを食べたという気持ちになりました。
また、スイーツと一緒にいただいたブレンドコーヒーもクセがなく、スイーツによくあうクリアな味。コーヒーカップも華やかでかわいらしいピンクで気分があがります。
普段使いのコーヒータイムも和むけれど、たまにはご褒美スイーツとして、ホテル喫茶を利用した豪華なコーヒータイムは非日常世界に浸れる特別な時間となりました。
★追加情報★
創業70年ほどの歴史に刻まれた味わいのあるモダンな建築物や、愛らしいヒルトップのプリンアラモードとお別れなのは寂しい。
コーヒーパーラーヒルトップは直営店の順天堂病院内は残るそうですが、このホテル内の雰囲気や食事メニューはそっくり引き継がれていくのでしょうか。
ホテルがリノベーションして再度開業されることを祈るばかりです。
神保町カフェ巡りまとめ
神保町の町自体はそんなに広いエリアではなく、デパートや大きなショッピングセンターなどは無いのですが、昔から活用されている細くて小さな路地に魅力的な小さなお店がたくさん。
実際に歩いてその日の気分や、自分好みの喫茶店を見つけていくのが似合う町。
他にも気になっている喫茶店や、有名な老舗の喫茶店など、まだ利用していないお店がたくさんあるので、神保町喫茶探索はこれからも続けていく予定です。
紹介した場所
◆ミロンガ・ヌオーバ
住所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目3−3
交通:都営地下鉄・東京メトロ 神保町駅A7出口徒歩2分
◆サロンド冨山房 FOLIO
住所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目3 ー3 冨山房ビルB1
交通:都営地下鉄・東京メトロ 神保町駅徒歩約3分
◆石窯ベイクブレッド茶房タムタム
住所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目9 1F
交通:都営地下鉄・東京メトロ神保町駅 7番出口からすぐ
◆山の上ホテルコーヒーパーラーヒルトップ
住所:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1丁目1 山の上ホテル
交通:JR中央線・総武線 御茶ノ水駅から徒歩約5分
都営地下鉄・東京メトロ神保町駅から徒歩で約7分
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