目黒駅から徒歩で長い行人坂を降りていくと豪華なホテル雅叙園東京が見えてきます。
館内にある百段階段は以前から気になっていた場所。
季節によってさまざまな展示を演出し、歴史ある建築物とセンスあるアートが融合し、一度見学してみたかったスポット。
情報を集めてみると、百段階段のほかにもホテルのロビーや庭園も、まるで美術館のような景観で見ごたえがある様子。
百段階段の見学の後に、ゆっくりと庭園を眺めながらカフェを利用した優雅な時間。
宿泊なしでも十分に楽しめるスポットでした。
目次
2023年夏・百段階段のテーマは幻想的な百鬼夜行
今年の夏、百段階段の展示は和のあかりが演出する「百鬼夜行」がテーマ。
各部屋を現世から異世界へ案内するような不思議な空間が作られています。
入場料 大人1人 1500円。
ホテルのホームページから事前にウェブチケットを購入。
また、当日受付でチケット購入でも見学可能。
ホテルの入口に到着すると外観は重厚で近代的な雰囲気。
機能美の中にどこかオリエンタルな雰囲気を感じるエントランスから館内に入ると華やかな装飾が目に飛び込んできました。
さすがデラックスホテル。豪華な雰囲気が入口から伝わってきます。
その傍らに百段階段の受付がありました。
百年階段の歴史
ホテルのホームページを参照すると、百年階段はホテル雅叙園東京の前身である目黒雅叙園3号館の建築物で、1935年に建てられた木造建築だそうです。
階段に沿って趣の異なる様々な部屋があり、当時の有名な画家たちの手によって描かれた天井画や豪華な欄間は美しい。
なお、これらは2009年3月には東京都指定有形文化財に指定されています。
ちなみに、実際の階段は99段まで。
100段にしなかった理由は縁起担ぎで、縁起の良い数字を重ねた99にした、などと言われているとか。いろんな逸話が歴史ある建物の見学に面白さが加わります。
豪華なエレベーターで百段階段へ。百鬼夜行のはじまり
ホテル入口で受付を済ますと、百段階段へ続く専用エレベーターで向かいます。
このエレベーターも和の装飾が豪華。
まるで着物の柄の様な華やかさ。
エレベーターを降りると、金魚や風鈴など夏らしい飾りがお出迎え。
百段階段へつづく通路に靴脱ぎ場があり、ここからは土足厳禁で見学となります。
いよいよ見えてきた百段階段。階段の天井にも絵画が装飾されています。
階段の途中に出てきた最初の部屋は「異界へと続く道」というタイトルで演出。
青い配色でまとめられた異空間。美しくも不思議な世界が始まりました。
照明と影が作り出す展示が幻想的。
天井画にも青い照明が照らされて不思議な空間を演出しています。
階段を少し上がるとまた別の部屋。
こちらは赤が基本として表現。歴史的文化財の絵画に現代のアートが組み合わさって絵巻物の世界に入ったような感覚に。
なお、各部屋のインパクトがすごいので思わず見落としそうになりますが、百段階段の窓や通路もレトロモダンでおしゃれ。
昔の建築物で見かける丁寧な作りの窓枠やガラス戸は目の保養。
部屋の天井画やもともとあった古い装飾物も、鮮明な色合いでハッと目にとまります。
各部屋の展示を見ながら少しづつ階段を上がっていきます。
途中、小さな通路に宙に浮かんだような鯉。
暗めの照明の中、浮遊している鯉たちが夢の中の映像みたいで印象的。
印象的だった部屋「白き狐の世界」
和室にススキの原っぱが広がっている中に怪しげな白い狐の姿。
その時小さなお子さんが
「ぎゃー。こわいー!」と泣き出す声。
お母さんが「はいはい、別の部屋に行こうね」と移動したのですが、お子さんは
「どの部屋もこわいー!」
うんうん。わかるわかる。テーマが百鬼夜行だしね。
この異空間の面白さはもう少し大きくなってからでないとわからないかもしれません。
他の部屋にあった魔法陣のような演出。
こちらも照明と影を使った不思議な仕掛け。
床だけでなく天井に反射している光も見落とさないようにしっかりチェック。
このあと最上階の99段まで上がった部屋はいろんな色の光が浮かんでいるような空間。
万華鏡の中のような不思議なお部屋でした。
暗がりに極彩色の光が舞う姿は花火のようにも見えます。
全ての部屋を見学した後は出口の方へ。
ホテルオリジナルのグッズが並ぶショップが出てきました。
白を基調としたクリーンな店内や、軽いざわめきが聞こえるも静かで落ち着いた雰囲気など、美術館の中にあるショップとよく似ています。
美術館に入ったようなホテル
百段階段を見学した後は、ホテル内のカフェ「パンドラ」でお茶をするのも楽しみの1つ。
カフェの入口に行くとすでに満席。
ただ、待っている間にホテル館内を探索できると思い、ウェイティングリストに名前を入れて、席が空いたら携帯に連絡してもらうに手続きをしてから、ホテル散策に出発。
館内の通路も他のホテルと様子が違い、さまざまな演出があるのでひとまず館内をぐるりと一周したくなります。
館内に流れる水路と和モダンな通路
エントランスからカフェパンドラ方面へ。
浮世絵の様な壁画がズラッとならぶ印象的な通路。途中にトイレがあり、こんな絢爛豪華なトイレはなかなか他ではみることができません。
また、お寺の境内を歩いているような赤い橋が架かっている場所へ。
両脇には水路があり、お花の様な電飾が独特の雰囲気を醸し出しています。
カフェやレストランエリアにも水路があり、鯉がのんびり泳ぐ姿が。
水路などの仕掛けによって屋内と屋外の境目が曖昧になり、開放的で幻想的な雰囲気でした。
そして見どころは迫力のある滝がある庭園。
滝の下には鯉が泳ぐ池があり、池の上には通路があるので近距離で正面から滝を眺めることもできます。
エスカレーターを利用して上の階へと上がっていくとバンケットルームが並び、結婚披露宴会場になっているようでした。
上の階から眺めた景色。
ここからの眺めも圧巻です。
ホテル探索を続けているうちに、携帯に連絡があり、早速カフェパンドラへ向かいました。
緑豊かな景色の中でカフェ
カフェパンドラは壁で仕切られていないので、目の前に遮るものがなく開放的な雰囲気。
また、大きな窓からは涼しげな水辺の庭園が眺められるので、ゆったりとした座席で落ち着きながらお茶を楽しむことができます。
今回はキャラメルソースがかかったパンケーキとブレンドコーヒーでほっと一息。
予想以上に歩いたせいか、パンケーキのふんわり生地とコクのあるキャラメルソースの味に癒されます。
ブレンドコーヒーはスッキリした味わいでスイーツと共にいただくのにぴったり。
コーヒーのお代わりもできるので、パンケーキと一緒にいただいたあとにもう一杯、今度はコーヒーの味をじっくり楽しみました。
メニューはケーキセットや今回頼んだパンケーキの他にも、サンドウィッチやハンバーガーなどの食事系もあり。
また、豪華なアフタヌーンティーのセットも楽しめるようでした。
雅叙園東京を訪ねた感想
デラックス系ホテルは館内に様々な工夫がされて、旅行気分をあがるポイントがいくつかあり、ぶらぶら館内を歩くだけでも楽しい場所。
ホテル雅叙園東京は、デラックスなホテルの中でも個性的で、このホテルでないと見られない工夫や仕掛けがあるミュージアムホテル。
今回は百段階段とカフェという宿泊をしない利用でしたが、日帰りでも旅行気分に浸ることができました。
10月からの百段階段の企画は、「名建築 百段階段 秋の見学会」が実施される様子。
東京都指定有形文化財に指定された建物を展示物なしで「そのまま」の姿を見学できるとか。
古民家好き、古い建築物好きのため、秋になったら文化財としてのそのままの百段階段を見学するのも楽しそうです。
※こちらの記録は2023年8月1の情報です。
紹介した場所
◆ホテル雅叙園東京
住所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目3 ー3 冨山房ビルB1
交通:JR目黒駅西口より徒歩で約3分
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